T枝はたびたび私のアパートへやってくるようになった。
会えばセックスをすることになるのだが、相変わらず私は彼女とのセックスで射精することはできなかった。ただ射精できないだけではない。膣の中に入れても何も感じないという不感症の状態だった。
そんな私とのセックスなど楽しいはずもないがT枝はいつも優しく抱きしめて、
「あなたは大丈夫、絶対大丈夫だから」
と言ってくれた。
せめて彼女だけでも気持ちよくなってほしいと、私は下彼女の胸をもんだり彼女のクリトリスや性器を触ったりなめたりした。性体験の乏しい未熟な私に彼女はどこをどんな風にすると女性が気持ちいいのかを教えてくれた。おかげで私の前戯のテクニックはこの時にかなり上達した。
彼女と抱き合ったりキスをすればすぐにペニスは勃起するし、手でしごいてもらえば気持ちいいし射精はできた。しかし、フェラチオはあまり感じないし、膣に挿入するとさらに感覚があまりなく途中で萎えてしまう。最後はいつも強くしごいてもらって射精していた。
そんな状態が数ヶ月続いた頃、T枝は
「決めた!私がぜったいにあなたをセックスで気持ちよくなれるようにしてあげる!」
と言い出した。
それからは、セックスでお互いに快感を求めるというよりもどちらかというと私の不感症を治すための行為になった。もともと負けん気が強く頭もいい彼女はいろいろな本を読んだりして研究してくれたらしく、
「性感を高めて刺激に敏感な体にすればいいのよ」
と言った。
彼女はキスをしたり、手でソフトにペニスを刺激して勃起させた後、口でしてくれた。私はフェラチオをされてもいまひとつ感じないので次第に萎えてくる。すると彼女は口だけでなくほんの少し手の刺激も加えてペニスの勃起をよみがえらせる。固さが戻るとまた口だけでソフトに刺激した。
やがて、手の刺激の助けを借りながらではあったけれど、彼女のフェラで射精できるようになった。しばらくすると口だけの刺激でも勃起を維持できるようになってついには手の力なしで射精できた。
フェラチオだけで射精できるようになった頃には、ペニスの感度がよくなっているのを自分でも感じた。その頃から膣にも入れるようになった。
以前はまったく何も感じなかった膣の中が少し気持ちよく感じられるようになっていた。それでも油断すると萎えてしまうことが多く、なかなか射精できなかった。彼女は根気よく私への「治療」を続けてくれた。
私は彼女と出会ってから、それまでやっていたオナニーはほとんどしなくなっていた。会えば彼女が気持ちいいことをしてくれるのに自分でやるのはもったいないという気持ちがあって、それまで毎日のようにしていた床オナニーを気がつけばいつのまにかやめていた。今思えばそのことも膣内射精障害を克服することに役立っていたのだと思う。
彼女が私への「治療」を宣言してから4ヶ月がたった頃、ついに膣で射精することができた。私たちはコンドームを使っていなかった。使わなくても射精しないし、と思っていた。いつものようにフェラチオで射精寸前まで興奮したところで膣に挿入したらそのままあっという間に射精してしまった。
私たちはコンドームをつけていないことであわてたが、やっと射精できたことの喜びのほうが大きかった。彼女は泣いてくれた。私も何度も彼女にありがとうと言いながら涙をこらえることができなかった。
ありがとう